「自転車ネットワーク計画」とは、安全で快適な自転車通行空間を効果的、効率的に整備することを目的に、自転車ネットワーク路線を選定し、その路線の整備形態等を示した計画です。
阿蘇地域の7市町村においては、それぞれの地域の特色を踏まえた様々な施策に取り組んでいますが、中でも、交流の促進や地域資源を生かした観光の推進などは、各市町村に共通する考え方として観光振興計画等に位置付けられています。
このような中、管内の市町村や民間団体により「ジャパンエコトラック阿蘇実行委員会」や「阿蘇サイクルツーリズム学校「コギダス」協議会」が設立され、サイクルツーリズムの普及や観光振興に向けたイベント開催等、ソフト面での取組みが行われてきました。
このような取組みに加え、自転車による観光、いわゆる、サイクルツーリズムを前提としたルートの設定や、そのための安全な走行環境の整備、サイクリストの受入環境の更なる充実など、ハード・ソフト両面からサイクリング環境の向上を図り、サイクルツーリズムを推進し、地域振興を図ることを目的として、平成31年3月に「阿蘇地域サイクルツーリズム推進協議会」を発足しました。
この協議会の令和元年度総会において、「阿蘇地域自転車ネットワーク計画」が策定されましたので公開します。
1 計画の対象など
阿蘇地域全域を対象とし、阿蘇地域の観光振興に加え、通勤、通学等の日常利用や健康増進等を促進するためのサイクリングルートも対象とし、安全で快適な自転車通行空間の創出に努めることとします。
2 計画期間
自転車通行空間の整備は、これまでの道路整備にない取組みであり、その知見が十分でないことや、整備実績及び整備効果の検証を踏まえたガイドライン等の改正も予想されることから、長期的な計画とせず、当面、5ヶ年間の計画として策定します。
3 基本方針
国の「自転車活用推進計画」において、自転車利用が利用者一人一人の生活の質の向上に繋がることが重要であるとされていることを踏まえ、自転車事故のない安全・安心な交通環境のもと、自転車を活用した地域振興を目指すとの観点から、本計画の基本方針を以下のとおりとします。
「歩行者、自転車、自動車等の道路利用者が共に安全にかつ安心して通行できる施設等の整備及び施策の推進による地域振興の促進」
4 実施する施策
基本方針を踏まえ、本計画で実施する主要施策は以下のとおりとします。
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施策1
阿蘇管内の主要観光地間を結ぶ自転車ネットワークにおける歩行者、自転車、自動車等の道路利用者が安全にかつ安心して通行できる道路空間の整備
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施策2
安全意識向上のための交通法規の啓発
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施策3
自転車の活用による利用者の健康増進に向けた各種取組みの推進
5 段階的な計画策定
自転車ネットワーク計画は、地域や利用目的に応じて基幹となるルートを中心とした路線を対象とするなど段階的な計画の策定も「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」において想定されています。また、段階的な計画の策定の場合は、将来継続的に計画を拡張していくことが重要とされています。
阿蘇地域においては、現状把握が十分でないことや既成市街地等では用地的な制約から新たな自転車の通行区間の整備に課題が多いこと等から、当面は主要観光地等を結ぶ基幹的なネットワークの選定及びその整備を先行することとします。
なお、これらの基幹的なネットワークの整備状況を踏まえ、阿蘇地域における自転車ネットワークの整備範囲については順次追加拡大することとします。