平成28年の熊本地震で、南阿蘇村は甚大な被害を受けました。
前震の被害は小さかったものの、本震では地表地震断層が出現し、村が引き裂かれ、突き上げるような強い揺れで数多くの家屋が倒壊しました。同時に、村のあちこちの斜面は崩落し、土砂災害による甚大な被害が発生しました。この土砂災害の多くは阿蘇カルデラの火山に由来する地形・地質的な特徴が要因とされています。火山とともに生きる私たちへの大切な教訓であり、震災の記憶と共に後世に繋いでいくことが責務であると考えます。
震災遺構としての保存・整備
南阿蘇村では被災地を「震災遺構」として保存・整備し、防災教育や震災遺構ツアーなどに取り組んでいきます。

立野地区犀角山周辺

東海大学阿蘇キャンパス

数鹿流崩れ

黒川地区の地表地震断層

高野台大規模地すべり

広瀬川橋

阿蘇中央火口丘群の表層崩壊

阿蘇大橋の橋桁

阿蘇ファームランドの地下通路
震災伝承館「轍」の整備
熊本地震の記憶を後世に伝えていくため、2021年10月にプレオープンした震災伝承館 轍(わだち)。団体視察の受け入れに対応するための改修などをおこない、2022年4月2日にリニューアルオープンしました。
今後も少しずつ展示物のリニューアルや語り部活動等を通じ、震災の記録と記憶の伝承に取り組んでいきます。
震災ツアーの構築
現在、震災視察や防災教育ツアーなど、震災遺構や震災伝承館「轍」などを組み合わせたモニターツアーなど実施しながら、震災ツアーの商品化を検討しています。
今後、震災ツアーが南阿蘇村の新しい観光の柱となることを目指します。