施設案内
沢津野地区に於いてH12年6月から12月にかけて発掘調査が行われ色々な発見があった。 以前からこの沢津野地区では、多くの遺物が見つかっていた。
立野ダム関係の道路建設に伴い、半年間に及び丁寧に発掘調査が行われた。その結果、このF遺跡の丘には、今から約12,000年前から現在まで、ほぼ連続的に人々が生活していたことがわかった。
特に縄文時代の始まりの頃に使われた、人間の爪で模様を付けた爪形紋土器片(つめがたもんどきへん)・細石刃(さいせきじん)や石鏃(せきぞく)(矢じり)などの石器が出土したことは、大きな発見だった。
また、弥生時代中頃(約2,000年前)の沼の跡と思われる地層からは、栗の実や昆虫の遺体が見つかり、さらに鉄の刃物による加工痕(かこうこん)の残る木片がみつかった。当時の人びとがすでに鉄の刃物を使っていたことがわかる。これらの遺物は、発見されてすぐは茶・緑・黄などの生の色であったが、しばらくたつと酸化されて真っ黒に変色した。というのは、この沼の跡は当時山崩れにより一瞬にして埋まってしまい、その中に埋まった物は真空パック状態で保存されていたからである。この調査で発掘された物は、県の文化課で大事に保管されている。