○南阿蘇村職員の懲戒処分の手続及び基準に関する規則
平成17年7月5日
規則第100号
(目的)
第1条 この規則は、南阿蘇村職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(平成17年南阿蘇村条例第27号)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。
(懲戒処分の基準)
第2条 任命権者は、職員が地方公務員法(昭和25年法律第261号)第29条第1項各号のいずれか又は全部の規定に違反したときは、別表に規定する懲戒処分の標準例(以下[標準例」という。)に従って当該職員に対し懲戒処分を行うものとする。
(懲戒処分の手続)
第3条 任命権者が懲戒処分を行うに当たっては、南阿蘇村職員懲戒処分等審査会規則(令和5年南阿蘇村規則第28号)第1条に規定する南阿蘇村職員懲戒処分等審査会の意見を聴かなければならない。
(懲戒処分の指針)
第4条 懲戒処分の程度を決定するに当たっては、次に掲げる事項を勘案の上、総合的に考慮し判断するものとする。この場合において、標準例に掲げられていない非違行為については、標準例を参考にその都度判断するものとする。
(1) 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか。
(2) 故意又は過失の度合いはどの程度であったか。
(3) 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか。その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか。
(4) 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか。
(5) 過去に非違行為を行っているか。
(6) 日常の勤務態度及び非違行為後の対応はどのようなものであったか。
2 前項の規定にかかわらず、懲戒処分を行わないことにつき相当の理由があると認められるとき(原則として懲戒処分の種類に戒告が含まれている時に限る。)は、訓告、厳重注意又は口頭注意の指導上の措置を行うことができる。
(1) 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき。
(2) 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき。
(3) 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき。
(4) 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分等を受けたことがあるとき。
(5) 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたとき。
(6) 前各号に掲げるもののほか、特別の事情があると認めるとき。
(1) 職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき。
(2) 非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき。
(3) 日常の勤務成績が特に優秀な職員であるとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、特別の事情があると認めるとき。
(懲戒処分の公表)
第7条 次のいずれかに該当する懲戒処分は、速やかに公表するものとする。
(1) 職務遂行上の行為又はこれに関連する行為に係る懲戒処分
(2) 職務に関連しない行為に係る懲戒処分のうち、免職又は停職である懲戒処分
2 前項の公表は、事案の概要、処分量定及び処分年月日並びに所属、役職段階等の被処分者の属性に関する情報を、個人が識別されない内容のものとすることを基本として公表するものとする。
附則
この規則は、公布の日から施行し、平成17年4月1日から適用する。
附則(平成18年10月6日規則第22号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成19年3月30日規則第4号)抄
(施行期日)
1 この規則は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成19年10月17日規則第15号)
この規則は、公布の日から施行し、平成19年7月1日から適用する。
附則(平成21年1月26日規則第2号)抄
(施行期日)
1 この規則は、平成21年2月1日から施行する。
附則(平成26年12月12日規則第16号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成30年6月29日規則第21号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(令和5年9月1日規則第27号)
(施行期日)
1 この規則は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行前にした非違行為等の事案については、なお従前の例による。
別表(第2条関係)
懲戒処分の標準例
非違行為の種類 | 懲戒処分の基準 | |||
一般服務関係 | 欠勤 | 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた場合 | 減給・戒告 | |
正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた場合 | 停職・減給 | |||
正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた場合 | 免職・停職 | |||
遅刻・早退 | 正当な理由なく勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた場合 | 戒告 | ||
休暇の虚偽申請 | 病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした場合 | 減給・戒告 | ||
勤務態度不良 | 勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた場合 | 減給・戒告 | ||
職場内秩序を乱す行為 | 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した場合 | 停職・減給 | ||
他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した場合 | 減給・戒告 | |||
虚偽報告 | 事実をねつ造して虚偽の報告を行った場合 | 減給・戒告 | ||
違法な職員団体活動 | 地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は行政の活動能率を低下させる怠業的行為をした場合 | 減給又は戒告 | ||
地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった場合 | 免職又は停職 | |||
秘密漏えい | 職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | 免職・停職 | ||
上記の場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした場合 | 免職 | |||
具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | 停職・減給・戒告 | |||
違法な政治的行為 | 地方公務員法第36条第1項又は第2項の規定に違反して政治的行為をした場合 | 減給、戒告 | ||
地方公務員法第36条第3項の規定に違反して政治的行為を行うよう職員に求める等の行為をした場合 | 停職・減給 | |||
公職選挙法(昭和25年法律第100号)第136条の2の規定に違反して公務員の地位を利用して選挙運動をした場合 | 免職・停職 | |||
兼業の承認等を得る手続のけん怠 | 営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った場合 | 減給・戒告 | ||
入札談合等に関与する行為 | 村が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った場合 | 免職・停職 | ||
個人の秘密情報の目的外収集 | その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記載された文書等を収集した場合 | 減給・戒告 | ||
公文書の不適正な取扱い | 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した場合 | 免職・停職 | ||
決裁文書を改ざんした場合 | 免職・停職 | |||
公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | 停職・減給・戒告 | |||
不適正な事務処理 | 職務の遂行に関して法令に違反し、又は不適正な事務処理等を行うことにより、公務の運営に支障を生じさせた場合 | 減給・戒告 | ||
職務の遂行に関して法令に違反し、又は不適正な事務処理等として了知していたにもかかわらず、これを黙認していた場合 | 戒告 | |||
セクシャル・ハラスメント(注1)(注3) | 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした場合 | 免職・停職 | ||
相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙、電子メール等の送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合 | 停職・減給 | |||
上記の場合において、わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したとき | 免職・停職 | |||
相手の意に反すことを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合 | 減給・戒告 | |||
パワー・ハラスメント(注2)(注3) | パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた場合 | 減給・戒告 | ||
パワー・ハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワー・ハラスメントを繰り返した場合 | 停職・減給 | |||
パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた場合 | 免職・停職・減給 | |||
公金、公有物取扱い関係 | 横領 | 公金又は公有物を横領した場合 | 免職 | |
窃取 | 公金又は公有物を窃取した場合 | 免職 | ||
詐取 | 人を欺いて公金又は公有物を交付させた場合 | 免職 | ||
紛失 | 公金又は公有物を紛失した場合 | 戒告 | ||
盗難 | 重大な過失により公金又は公有物の盗難に遭った場合 | 戒告 | ||
公有物損壊 | 故意に職場において公有物を損壊した場合 | 減給・戒告 | ||
失火 | 過失により職場において公有物の出火を引き起した場合 | 戒告 | ||
給与等の違法支払・不適正受給 | 故意に法令に違反して給与等を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして給与等を不正に受給した場合 | 減給・戒告 | ||
公金又は公有物の処理不適正 | 自己保管中の公金の流用等、公金又は公有物の不適正な処理をした場合 | 減給・戒告 | ||
コンピューター等の不適正使用 | 職場のコンピューターをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた場合 | 減給・戒告 | ||
公務外非行 | 放火 | 放火をした場合 | 免職 | |
殺人 | 人を殺した場合 | 免職 | ||
傷害 | 人の身体を傷害した場合 | 停職・減給 | ||
暴行・けんか | 暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかった場合 | 減給・戒告 | ||
器物損壊 | 故意に他人の物を損壊した場合 | 減給・戒告 | ||
横領 | 自己の占有する他人の物を横領した場合 | 免職・停職 | ||
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した場合 | 減給・戒告 | |||
窃盗・強盗 | 他人の財物を窃取した場合 | 免職・停職 | ||
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合 | 免職 | |||
詐欺・恐喝 | 人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた場合 | 免職・停職 | ||
賭博 | 賭博をした場合 | 減給・戒告 | ||
常習として賭博をした場合 | 停職 | |||
麻薬等の所持等 | 麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした場合 | 免職 | ||
酩酊による粗野な言動等 | 酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合 | 減給・戒告 | ||
淫行 | 18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした場合 | 免職・停職 | ||
痴漢行為 | 公共の場所又は乗物において痴漢行為をした場合 | 停職・減給 | ||
盗撮行為 | 公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした場合 | 停職・減給 | ||
飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係(注4) | 飲酒運転 | 酒酔い運転 | 人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた場合 | 免職 |
その他の場合 | 停職(6月) | |||
酒気帯び運転 | 死亡させたとき | 免職 | ||
障害を負わせ、救護を怠る等の措置義務違反をした場合 | 免職 | |||
交通事故を起こした場合 | 停職(6月) | |||
呼気1L当たりアルコール濃度が0.25mg以上の場合 | 停職(4月) | |||
呼気1L当たりアルコール濃度が0.15mg以上0.25mg未満の場合 | 停職(3月) | |||
飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した場合 | 飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職・停職・減給・戒告 | |||
人命救助、災害避難等で緊急を要し、かつ、他に手段がない場合、又は、その他客観的に判断して特別な事情が認められる場合 | 減給 | |||
飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの) | 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合 | 免職・停職・減給 | ||
上記の場合において措置義務違反をした場合 | 免職・停職 | |||
人に傷害を負わせた場合 | 減給・戒告 | |||
上記の場合において措置義務違反をした場合 | 停職・減給 | |||
飲酒運転以外の交通法規違反 | 悪質な交通法規違反により、道路交通法(昭和35年法律第105号)第103条に定める免許の取消し又は停止の処分を受けた場合 | 停職・減給・戒告 | ||
上記の場合において物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした場合 | 停職・減給 | |||
監督責任関係 | 指導監督不適正 | 部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた場合 | 減給・戒告 | |
非行の隠ぺい・黙認 | 部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した場合 | 停職・減給 |
(注)
1 「セクシャル・ハラスメント」とは、他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。
2 「パワー・ハラスメント」とは、職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又は職員の勤務環境を害することとなるようなものをいう。
3 処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上判断するものとする。
4 処分を行うに際しては、過失の程度、事故後の対応等も情状として考慮の上判断するものとする。