○南阿蘇村環境保全条例

平成17年2月13日

条例第124号

(目的)

第1条 この条例は、南阿蘇村のすぐれた自然環境及び生活環境の保全と秩序ある開発等に関し必要な事項を定めることにより、住みよい魅力ある郷土の実現に資することを目的とする。

(基本的責務)

第2条 村は、前条の目的を達成するため、自然環境及び生活環境の保全に関する施策を策定するとともに、その実施に努めるものとする。

2 村民は、良好な環境の確保に努めるとともに、村の実施する環境保全に関する施策に協力しなければならない。

3 事業者は、その事業活動によって良好な環境を侵害しないように自己の責任において、その保全のために必要な措置を講ずるとともに、村の実施する環境保全に関する施策に協力しなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 開発行為 住宅用地(別荘用地を含む。)、工業用地、レジャー施設用地等の造成、土石の採取、鉱物の採掘その他土地の区画形質の変更をいう。

(2) 開発区域 開発行為に係る一団の土地(水面を含む。)の区域をいう。

(3) 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものをいう。

(4) 事業者 開発行為及び建築物並びに土地の掘削に係る工事等をしようとする者をいう。

(5) 空き地 集落内における住宅又は事業所周辺の土地で、現に建築物の敷地でない宅地(南阿蘇村空家等対策の推進に関する条例(令和元年南阿蘇村条例第14号)の対象となる空家等に係る土地及び次号に該当する土地を除く。)

(6) 分譲地 分譲地として開発され、現に建築物の敷地でない土地

(7) 所有者等 空き地又は分譲地の所有者、占有者又は管理者

(保全地域等の指定)

第4条 村長は、優れた自然環境を保全するため、自然環境保全地域及び野生動植物保護地域(以下「保全地域」という。)を指定することができる。

2 自然環境保全地域は次の各号に定める地域とする。

(1) 貴重な自然状態を保ち、又は学術上重要な意義を有する森林、草生地、湿地、渓谷、山岳、池沼等を含む地域のうち、現にあるがままの自然状態を将来にわたって保存することが必要な地域

(2) 優れた自然景観を有する地域のうち、その自然景観を保存することが必要な地域

(3) 歴史的又は郷土的に特色のある地域のうち、その特色を保持するための自然環境を保全することが必要な地域

(4) 自然環境が良好な地域のうち、その地域の特性に応じて自然環境の保存と活用の調和を図ることが必要な地域

(5) 緑地の造成、沿道の修景その他自然環境の積極的な造成、改善を図ることが必要な地域

3 野生動植物保護地域は、住民に親しまれている又は学術的に価値のある動物、植物、地質鉱物等(以下「動植物等」という。)の生育地又は所在地とする。

4 村長は、前項に規定する動植物等のうち、保護すべき動植物等(以下「保護動植物等」という。)を指定することができる。

5 村長は、保全地域又は保護動植物等を指定し、又は解除する場合にはその旨及びその区域を公示しなければならない。

6 保全地域又は保護動植物等の指定又は解除は、前項の規定による公示によってその効力を生ずる。

(自然環境保全の基準)

第5条 村長は、村内における自然環境保全及び開発行為等の秩序を保つための基準(以下「自然環境保全基準」という。)を定めるものとする。

(環境保全審議会の設置)

第6条 南阿蘇村における環境保全に関する事項を調査審議するため、南阿蘇村環境保全審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

(保全地域内行為の許可)

第7条 保全地域内において、開発行為又は保護動植物等の採取を行おうとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、村長の許可を受けなければならない。

(許可の基準)

第8条 村長は、前条の許可の申請があった場合において、自然環境保全基準に適合すると認めるときでなければ、これを許可してはならない。

2 村長は、自然環境保全基準適合の可否を判断するために必要があると認める場合は、審議会に諮るものとする。

3 行為の許可には、自然環境の保全に必要な限度において条件を付すことができる。

(事前届出)

第9条 村内において、次に掲げる行為を行おうとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、事業行為の内容を村長に届け出なければならない。ただし、前条の許可を受けた行為の内容と同様の場合は、除く。

(2) 村内において、鳥獣威嚇のための爆音機を使用する者

2 前項第1号の規定にかかわらず、南阿蘇村景観条例施行規則(平成26年南阿蘇村規則第9号)第5条の規定に基づく届出があったときは、前項の規定に基づく届出があったものと見なす。

(指導及び助言)

第10条 村長は、前条の規定による届出があった場合において、その開発行為が自然環境保全基準に適合しないと認めるとき、第16条若しくは第17条に規定する責務等が果たされないおそれがあると認めるとき、又は第18条に規定する使用制限が遵守されないおそれがあると認めるときは、当該届出をした者に対し必要な指導又は助言を行うものとする。

2 村長は、第17条第1項第1号若しくは第2号に規定する責務又は第18条第1項に規定する使用制限について、違反している者に対し、適正な措置を講ずるよう指導又は助言を行うものとする。

3 村長は、空き地の属する行政区の区長が、空き地が不良状態にあると認めた場合は、所有者等に対し、これの除去又は防止のために必要な措置を講ずるよう指導又は助言を行うものとする。

(事業計画の変更)

第11条 第7条から第9条までの規定及び前条第1項の規定は、事業計画を変更する場合について準用する。

(環境保全協定)

第12条 村長は、この条例に基づく指導を適正に行うため必要があると認める場合には、第7条の規定による許可申請又は第9条第1項第1号の規定による届出をした者と開発行為等について環境保全のための協定を締結するものとする。

(中止命令等)

第13条 村長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、自然環境及び生活環境の保全に必要な限度において、許可を取り消し、変更し、その効力を停止し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又はその開発行為等の中止を命じ、若しくは相当の期限を定めて原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難な場合に、これに代わるべき必要な措置をとることを命ずることができる。

(1) 第7条(第11条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、開発行為等をした者

(2) 偽りその他不正な手段により第7条の許可(第11条において準用する場合を含む。)を受けた者

(3) 第8条第3項(第11条において準用する場合を含む。)の規定により許可に付した条件に違反した者

(4) 前条(第11条において準用する場合を含む。)の規定により締結した協定に違反した者

2 村長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、開発行為等の中止を勧告し、又は相当の期限を定めて原状回復を勧告し、若しくは原状回復が著しく困難な場合に、これに代わるべき必要な措置をとることを勧告し、又はこの条例に基づいて必要な勧告を行うことができる。

(1) 第9条第1項(第11条において準用する場合を含む。)の規定に違反して開発行為をした者

(2) 第9条第1項(第11条において準用する場合を含む。)の規定による届出等で、虚偽の届出等をした者

(3) 第10条第1項(第11条において準用する場合を含む。)第2項又は第3項の規定による指導に従わない者

(立入調査)

第14条 村長は、この条例による権限を行うため必要な限度において、村職員を当該土地に立ち入らせ、当該土地若しくは当該土地にある物件又は当該土地において行われている開発行為等の状況を調査させることができる。

2 前項の規定により他人の土地に立ち入ろうとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(適用除外)

第15条 次のいずれかに該当する場合には、第7条から第9条までの規定は適用しないものとする。

(1) 非常災害のための応急措置として行う事業

(2) 国又は地方公共団体が行う事業

(3) 農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条第2項第1号に規定する農用地区域内において農業の用に供することを目的として行う事業

(4) 森林法(昭和26年法律第249号)第5条第1項の規定による地域森林計画対象森林の区域内において森林の施業又は整備として行う事業

(5) 前各号に準ずるものとして、村長がその都度定める事業

(6) その他、住民及び公益上の事由により特に必要と村長が認めた場合

(事業者の責務)

第16条 事業者は、その事業を行うに当たっては、関係法令等を遵守するとともに、次に掲げる事項に留意し地域と一体となった開発に努めるとともに、その事業活動によって良好な環境を侵害しないよう、その責任と負担において必要な措置を講じなければならない。

(1) 生活用水及び農業用水の汚染、枯渇その他人の生命又は農林業生産に悪影響を与える状況を生じさせないこと。

(2) 文化財、歴史的価値のあるもの及び希少野生動植物の生息地については、積極的に保全に努めること。

(3) 事業に関連する道路及び緑地を設ける等環境施設の整備に努めること。

(4) 分譲地の開発業者及び不動産業者等は、開発後の分譲地について、雑草、竹木等が管理されないまま繁茂し、周辺に被害が及ぶような害虫発生の原因となり、又は火災、不法投棄等を誘起するおそれを生じさせないよう適切に管理を行うとともに、当該分譲地の土地を取得した者に対し、当該土地の適切な管理について指導を行うこととし、不適切な管理に起因する問題については、当該分譲地の関係者間で解決を図ること。

(住民及び所有者等の責務)

第17条 住民及び所有者等は、関係法令等を遵守するとともに、次に掲げる事項に留意し、優れた環境を後世に伝えるよう努めなければならない。

(1) 生活排水については、公共用水域の汚濁防止に必要な措置を講ずること。

(2) ごみ及びし尿については、適正に処理し、生活環境を清潔にすること。

(3) 空き地の所有者等は、雑草又は竹木等が管理されないまま繁茂し、周辺に被害が及ぶような害虫発生の原因となり、又は火災、不法投棄等を誘起するおそれが生じないよう適切な管理のために必要な措置を講じること。

(爆音機の使用制限)

第18条 爆音機を使用する者は、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 午後7時から翌日の午前6時までの間は、爆音機を使用してはならない。

(2) 家からおおむね200メートル以内(以下「対象住家」という。)は、爆音機を使用してはならない。ただし、対象住家に居住する者から同意を得ている場合はこの限りでない。

2 前項の規定にかかわらず、村長が住民及び公益上の事由により特に必要と認める場合又は非常災害のために必要な応急措置として行う場合は、この限りでない。

(国、県等への協力要請)

第19条 村長は、この条例の実施のため必要があるときは、国、県等と協議し、その協力を求めるものとする。

(罰則)

第20条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。

(1) 第13条第1項各号の規定による命令に従わない者

(2) 第14条の規定による立入りを拒み、又は妨げた者

(委任)

第21条 この条例に定めるもののほか、条例の施行に関し必要な事項は、村長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年2月13日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の白水村自然環境保全条例(昭和58年白水村条例第14号)、白水村環境保全要綱(平成元年白水村要綱第2号)又は久木野村環境保全要綱(平成元年久木野村要綱)の規定によりなされた決定、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。

(令和5年3月17日条例第8号)

(施行期日)

1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。

(条例の廃止)

2 次に掲げる条例は、廃止する。

(1) 南阿蘇村自然環境保全審議会設置条例(平成17年南阿蘇村条例第125号)

(2) 南阿蘇村爆音機使用に関する条例(平成17年南阿蘇村条例第127号)

(3) 南阿蘇村空き地等の適切な管理に関する条例(平成26年南阿蘇村条例第10号)

南阿蘇村環境保全条例

平成17年2月13日 条例第124号

(令和5年4月1日施行)