○南阿蘇村簡易水道及び飲料水供給施設の維持管理等に関する要領
平成17年2月13日
訓令第44号
(目的)
第1条 この訓令は、南阿蘇村水道施設の整備促進及び適正な維持管理、修繕及び更新(以下「維持管理等」という。)を行うことにより衛生的で安全な飲料水を供給することを目的とする。
(適用の範囲)
第2条 この訓令の適用となる施設は、南阿蘇村内の一般の需要に応じて水道により飲料水を供給する施設とする。
(施設の整備)
第3条 施設の整備については、次のとおりとする。
(1) 取水施設・浄水施設・配水施設等が不完全と思われる施設については、水道施設の技術的基準を定める省令(平成12年厚生省令第15号)に準じて整備すること。
(2) 消毒設備は衛生管理上最も重要であり、必ず設置するとともに平常よりその整備点検に努めること。
(3) 施設内に関係者以外の者又は動物が侵入できないよう柵をし、施錠すること。
(維持管理等)
第4条 施設の維持管理等については、次のとおりとする。
(1) 施設における汚染防止については、配水管の漏水の有無、汚染のおそれのある器具との連結などに注意し、特に水源における汚染防止については、次の点に注意すること。
ア 河川表流水源及び貯水水源では、し尿、下水、農薬及び工場排水などの流入に注意し、これらに対し万全の措置を講ずること。
イ 地下水源にあっては、その周辺における地表面の直接汚染源について注意するとともに、汚水の地下浸入についても考慮すること。
(2) 水道による感染症発生防止のため、消毒が中断しないよう常に消毒設備を整備し、給水栓水の遊離残留塩素濃度を常に0.1mg/L以上(結合残留塩素濃度0.4mg/L以上)に保持すること。
(3) 水道水中のクリプトスポリジウム等に関する対策の実施については、水道等におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針(水道水中のクリプトスポリジウム等に関する対策の実施について(平成8年10月4日付け衛水第248号通知)の別添)に準じて実施すること。
(4) 水質検査については、次のとおりとする。
ア 水質検査は、水道法(昭和32年法律第177号。以下「法」という。)第20条の規定に準じて、定期及び臨時の水質検査を実施すること。
イ 水質検査計画については、水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)の規定に準じて策定すること。
ウ 日常検査の検査結果に対する対応等は、別表により行うこと。
(5) 施設管理業務従事者は、法第21条の規定に準じて、定期及び臨時の健康診断を実施すること。
(6) 塩素剤は、少なくとも10日分以上の量を確保し、乾燥した冷暗所に貯蔵すること。
(7) 施設の適正な管理を行うため、管理責任者をおくこと。
(業務委託)
第5条 旧久木野村の簡易水道事業においては、各水道組合の管理責任者との間に業務委託をすることができる。ただし、管理責任が村に帰属した場合は、村において維持管理を行うものとする。
2 前項の規定により業務委託した場合の加入金については、各組合で対処するものとする。
(委託料)
第6条 前条第1項の規定により業務委託した場合の委託料は、均等割1組合当たり2万円、戸数割1戸当たり5,300円の合計額とする。
附則
この訓令は、平成17年2月13日から施行する。
附則(平成30年2月1日訓令第1号)
この訓令は、平成30年2月1日から施行する。
附則(令和2年4月1日訓令第4号)
この訓令は、令和2年4月1日から施行する。
別表(第4条関係)
日常検査の結果と措置等
検査結果 | 原因及び対応等 | |
色 | 赤水が出て、タオル等が着色する。 (赤褐色~黒褐色) | 鉄さびの流出 ・老朽化した鉄管が原因 (鉄濃度が0.3mg/L以上になると水に色が付着する。) (対応) ・配管の使用材質を確認する。 ・水質検査を行う。 ・常に赤水が出る場合は、配管等の布設替えを行う。 |
鉄細菌の繁殖 ・鉄細菌の配管内での増殖が原因 (対応) ・塩素消毒を強化(遊離残留塩素濃度:0.5mg/L以上)する。 | ||
マンガンの流出 ・水に含まれているマンガンが遊離残留塩素で二酸化マンガンまで十分に酸化されないことが原因 (マンガン濃度が0.05mg/L以下の微量であっても原因となる。) (対応) ・遊離残留塩素濃度を確認し、塩素消毒を強化する。 ・必要に応じて水質検査を行う。 | ||
青水 | 銅の溶出 ・銅濃度が約100mg/Lになると水に色が付着する。 (対応) ・洗面器具やタオルの変色(青色)を確認し、変色がある場合は、必要に応じて水質検査を行う。 | |
光の散乱 ・象牙色(アイボリー)の水槽に水を入れると光の散乱により青色に見えることがある。 (対応) ・受水容器及び観察場所を変更して再度確認する。 | ||
黒水 | マンガンの流出 ・配管内に付着したマンガンが水流の急激な変化によりはく離した可能性がある。 (対応) ・水質検査を行う。 | |
白水 | 亜鉛の溶出 ・使用されている配管の材質(亜鉛めっき鋼管)の溶出の可能性がある。 (対応) ・配管材質を確認し、亜鉛仕様の配管が使用されている場合は、水質検査を行う。 ・常に白水が出る場合は、配管等の布設替えを行う。 | |
濁り | 白濁 | 微細な気泡の発生 ・給水管に吸い込まれた空気又は水道水に溶け込んだ空気が微細な気泡となった可能性がある。 (対応) ・水道水を透明な容器に入れ、しばらく放置し、下の方から白い濁りがなくなって透明になることを確認する。 |
青(緑)濁 | 緑藻類の発生 ・受水槽等内での緑藻類の繁殖が原因 (対応) ・受水槽等内の点検を行い、必要があれば清掃を行う。 | |
異物 | 蒸発後の白色残留物 | ミネラル分の残留 ・蒸発等が繰り返される容器の底部等に、水に含まれているカルシウムやマグネシウムなどが乾固して、白い付着物となることが原因 (対応) ・クエン酸で除去する。 |
洗面所等の淡紅色 | 色素産生微生物の増殖 ・空気中の浮遊細菌が、洗面台、容器等で増殖し、ピンク色に着色することが原因(脱塩素の浄水器を使用することによって、この現象を助長することがある。) (対応) ・給水栓水の残留塩素濃度を確認する。 ・水回りの清掃を行う。 | |
昆虫又は幼虫 | 設備の不備 ・受水槽の不備の可能性がある。 (対応) ・受水槽の防虫網又はオーバーフロー管を点検し、不備があれば直ちに改善する。 | |
味 | 収れん味(思わず口をすぼめたくなる苦味) | 亜鉛の溶出 ・使用されている配管の材質(亜鉛めっき鋼管)の溶出の可能性がある。(亜鉛濃度5mg/L以上で収れん味を感じる。) (対応) ・配管材質を確認し、亜鉛仕様の配管が使用されている場合は、水質検査を行う。 ・常に白水が出る場合は、配管等の布設替えを行う。 |
金気味 | 金属類の溶出 ・使用されている配管の材質(鉄、銅など)の金属の溶出が原因 (対応) ・配管材質を確認し、原因と考えられる金属の水質検査を行う。 | |
臭い | 金気臭 | 鉄分の溶出 ・使用されている配管の材質(鉄)の溶出が原因 (鉄濃度0.5mg/L以上で臭いを感じる。) (対応) ・配管材質を確認し、原因と考えられる金属の水質検査を行う。 |
その他 | 泡立ち | 汚水等の混入 ・工場排水、生活排水等の混入が原因 (対応) ・受水槽等の亀裂の点検を行う。 ・改修工事などを行った場合は、配管の誤接合を点検する。 |