今、地球は温暖化しています。地球温暖化は、人間の様々な活動により、大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスの増加が原因であると考えられています。温室効果ガスは、石油、石炭などの化石燃料の使用により増加しますが、化石燃料は、発電、商品生産、交通、家庭等いろいろな場面で使用されています。
地球温暖化の影響
地球温暖化は、地球表面の大気や海洋の平均温度が長期的に上昇する現象であり、国内においても異常気象による被害の増加、農作物や生態系への影響等が予測されています。既に世界的にも平均気温の上昇、雪氷の融解、海面水位の上昇が観測されているほか、国内においても平均気温の上昇、暴風、台風等による被害、農作物や生態系への影響等が観測されています。村内でも平成24年7月九州北部豪雨や平成28年熊本地震直後の6月豪雨により、甚大な被害が出ましたが、これらの豪雨をもたらす気候変動は、地球温暖化の影響がないとは言い切れません。
地球温暖化問題は、その予想される影響の大きさや深刻さから見て、人類の生存基盤に関わる安全保障の問題と認識されており、最も重要な環境問題の一つとなっています。
これ以上地球温暖化を進行させないために
今、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ、地球温暖化を防止することは人類共通の課題とされ、低炭素社会の実現に向けた取組が求められています。
本村は、2020年1月に熊本県の18市町村からなる連携中枢都市圏共同で、2050年「ゼロカーボンシティ」の宣言を行っています。また、2022年3月に2050年脱炭素社会の実現を目指して、「南阿蘇村地域再エネ導入戦略」を策定しました。
戦略では、2050年度までにゼロカーボンを達成するために、2030年度までに、2013年度に対して二酸化炭素排出量を50%削減させる目標としています。産業部門では省エネルギー設備の導入、家庭部門では省エネ性能の高い機器への買替え、その他の部門では建築物の省エネルギー化が主な対策となっています。これらの省エネ対策を実施して41%を削減、太陽光発電、地熱発電、水力発電など再エネ発電施設を導入することで9%削減することが示されています。2030年度からは、電力会社から供給される電気の大部分が再エネによる電気に置き換わっていくと期待できることから、現在、灯油、重油、ガソリン等の化石燃料を使用する機器や設備についても電化を進め、どうしても化石燃料を使用しなければならない部分については、植林等による炭素の吸収源を作ることにより、2050年度のゼロカーボンを達成することとしています。
※ゼロカーボン:温室効果ガスの排出量から森林等による吸収等を差し引いて、全体として温室効果ガスの増加をゼロにすること

私たちは、地球温暖化を抑えなければならないこと、そのためには温室効果ガスの排出量を削減する必要があることをご理解いただき、自分たちでできることから取り組まれますようお願いします。
ゼロカーボンアクション30
脱炭素社会の実現には、一人ひとりのライフスタイルの転換が重要です。衣食住・移動・買い物など日常生活における脱炭素につながるライフスタイルの転換項目について、「ゼロカーボンアクション30」として整理されています。できるところから取り組んでみましょう。
ゼロカーボンアクション30
(1)再エネ電気への切り替え
(2)クールビズ・ウォームビズ(気候に合わせた服装と、適切な室温・給湯器温度設定)
(3)節電
(4)節水
(5)省エネ家電の導入(省エネ性能の高いエアコン・冷蔵庫・LED照明等の利用、買換え)
(6)宅配サービスをできるだけ一回で受け取る(宅配ボックスや置き配、日時指定の活用等の利用)
(7)消費エネルギーの見える化(スマートメーターの導入)
(8)太陽光パネルの設置
(9)ZEH(ゼッチ)(建て替え、新築時は、高断熱で、太陽光パネル付きのネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
(10)省エネリフォーム(窓や壁等の断熱リフォーム)
(11)蓄電地(車載の蓄電池)・蓄エネ給湯機の導入・設置
(12)暮らしに木を取り入れる
(13)分譲も賃貸も省エネ物件を選択 間取りと立地に加え、省エネ性能の高さで住まい選択 |
(14)働き方の工夫(職住近接、テレワーク、オンライン会議、休日の分散、二地域居住・ワーケーション)
(15)スマートムーブ(徒歩、自転車・公共交通機関で移動、エコドライブ(発進/急停車をしない等)の実施、カーシェアリングの活用)
(16)ゼロカーボン・ドライブ(再エネ・ゼロカーボン燃料とEV/FCV
/PHEV
(17)食事を食べ残さない(適量サイズの注文ができるお店やメニューを選ぶ、それでも食べ残してしまった場合は持ち帰る)
(18)食材の買い物や保存等での食品ロス削減の工夫(食べ切れる量を買う、工夫して保存し、食べられるものを捨てない、余剰食品はフードドライブの活用等によりフードバンク等に寄附する)
(19)旬の食材、地元の食材でつくった菜食を取り入れた健康な食生活 食材のトレーサビリティ表示を意識した買い物
(20)自宅でコンポスト(生ごみをコンポスターや処理器を使って堆肥化) |
(21)今持っている服を長く大切に着る、適切なケアをする、洗濯表示を確認して扱う
(22)長く着られる服をじっくり選ぶ、先のことを考えて買う
(23)環境に配慮した服を選ぶ(作られ方を確認して買う、リサイクル・リユース素材を使った服を選ぶ)
(24)マイバッグ、マイボトル、マイ箸、マイストロー等を使う
(25)修理や補修をする、長く大切に使う
(26)フリマ・シェアリング(フリマやシェアリング、サブスクリプション等のサービスを活用する)
(27)ごみの分別処理(「分ければ資源」を実践する適正な分別、使用済製品・容器包装の回収協力)
(28)脱炭素型の製品・サービス(環境配慮のマークが付いた商品、カーボンオフセット・カーボンフットプリント表示商品の選択)
(29)個人のESG投資(ゼロカーボン宣言・RE100宣言など地球温暖化への対策に取り組む企業の応援)
(30)植林やごみ拾い等の活動(団体・個人による地球温暖化対策行動や地域の環境活動への参加・協力) |
暑さ対策で電気代節約
春と秋に比べて、夏はエアコンを使用する家庭や事業所が多くなるため、電気使用量が上昇します。夏は、暑さ対策を行い、エアコンを上手に使うことが省エネ・温暖化対策になり、電気代の削減につながります。
暑い日に気温が28℃の室内と28℃の公園や森林の中とでは、全く体感温度が異なります。気温が同じでも、室内では、壁や天井の温度が高ければ、そこから熱が体へ伝わってきますが、森林では木や地面の温度が低いため、逆に体の熱を放射しやすくなるためです。このため、室内では、できる限り天井や壁を熱くしない工夫が暑さ対策となります。壁や天井が熱い部屋でエアコンを使用してもなかなか涼しくはなりません。
■窓の遮熱・遮光対策
最近の住宅は以前より断熱化が進んでいるため、住宅に侵入してくる熱の約7割は窓からといわれています。このため、日差しの入る窓に遮光・遮熱対策を行うことが有効です。窓の遮光・遮熱については、次の方法があります。
(1)
窓ガラスに断熱フィルムを貼るか、遮熱カーテンを取り付ける。
(2)
ブラインドを取り付ける。ブラインドは、窓の外側に取り付ける方が、内側に取り付けるよりも、3倍近く効果が高まります。
(3)
簾(すだれ)や葦簀(よしず)を窓の外や軒先に設置する。
(4)
窓や外壁に張ったネットなどにつる植物を這わせてカーテン状に繁茂させる「緑のカーテン」を設置する。緑のカーテンには、ゴーヤ、朝顔、ヘチマ、ヒョウタンなどが利用されます。
もし壁面緑化が可能であれば、日光の当たる壁面を緑化することにより、壁の温度を大幅に抑えることが可能となります。
■エアコンの上手な使用
(1)
2週間に1度はフィルターの清掃を行いましょう。内部のフィルターが目詰まりしているエアコンでは冷暖房の効率が悪くなり、余分な電力を消費してしまいます。フィルターをきれいにすることで、冷房では約4%、暖房では約6%の消費電力の削減になると言われています。
(2)
室外機の吹出口の前に自転車や植木鉢などを置いていないか確認しましょう。吹出口の前に物を置くとの熱交換の効率が悪くなります。また、室外機本体に直射日光があたって熱されると効率が悪くなります。専用のカバーで覆ったり、葦簀(よしず)で直射日光をさえぎると効果的です。
(3)
風量設定は「自動」モードにしましょう。エアコンは、つけ始めの時に最も電力を消費します。設定温度に達するまでは電力を大きく使い、一定温度に達したあとはそれを保つための運転に切り替わり、消費電力が小さくなります。
(4)
扇風機や換気扇を活用しよう。扇風機により、風や空気の流れを起こし、暑い空気を滞留させない工夫と窓の開放や換気扇によって風通しをよくすることにより、エアコンだけを使用するよりも涼しくなります。
(5)
古いエアコンは買い替えよう。エアコンは古いものより新しいものの方が省エネ性能が高くなっています。エネルギー効率は、1980年代のものとくらべて約2倍に向上しています。最新のエアコンに交換すると省エネと電気代節約につながります。
■その他に有効な夏の電気代の節約の方法
(1)
夏は、電気機器の温度設定を下げましょう。温水器の温度設定を低めに、便座暖房はオフ、ウォシュレットの洗浄温度は低めにすることが有効です。
(2)
これから新築、改築、リフォーム等をお考えの方は、家全体の遮熱、遮熱複層ガラスの導入、屋根裏や床下の換気口の設置による省エネ住宅を検討しましょう。
夏の冷房運転時には、設定温度を1℃高く設定することで消費電力を約13%減らすことができ、年間のCO2排出量を7.8kg減らすことができます。今年の夏は猛暑になると予想されています。暑さ対策により電気代節約に取り組みましょう。
※ 熱中症予防のため、暑いときは無理をせずエアコンを使用しましょう。