幼年期の「思い出」があれば必ず郷土愛が生まれます。私が子どものときには「道草」が一番の思い出です。川遊び、魚捕り、水遊び、隠れ家…下校途中にアケビとか桑の実とか、いろいろなものを食べていました。道草なんかしてみんなでワイワイ帰ることで、上下関係もできるだろうし、挨拶もできるだろうし。現在は学校の統廃合や安全面などでスクールバスが出ているため、なかなか「道草」は難しい時代なので、そのかわりの思い出を作ってやらなければならないと考えています。それが夏祭り・どんどや・もぐらうち・宮相撲などの「伝統文化の復活」です。村ではそういった行事への補助も行っていて、その伝統文化を地区ごとに復活させて、子どもたちと一緒に楽しんでもらいたい。そして子どもたちが都会に行ったときに、辛いことがあっても、田舎ではあんなことがあったなと思い出して、盆・正月に帰ってくることが大事ですね。そうして帰って来るいつの日かのために、幼少期の思い出はなくてはならないものだと考えています。子育てには「環境」も大事だと思いますが、そういった面から見ると、南阿蘇村は面積あたりの水の湧く量はおそらく世界ーではないかという自負があります。「世界一水が湧く村」なのです。それから火山があれば温泉もあり、街からも空港からも近い。それってすごく魅力的で他とは違う「ただのいなかじゃーなかよ。」じゃないでしょうか?そしてやっぱり楽しいこともしていかないと!極端な話、子育て支援策はほかの自治体とあまり変わらないかもしれませんが、手厚い支援だけに目を向けて生活をされても村への愛着がわかない気がします。若い人たちが村にきて「よし、この村ばもっと良くしよう」と思うくらいの気持ちで住んでもらうと、村がもっと好きになり、もっと良くなると思います。みなさん、一緒に「南阿蘇村」を作っていきましょう!吉良清一(南阿蘇村長)minamiaso 4 幼年期の思い出は宝物「ただのいなかじゃーなかよ。」を一緒に作ってい〈つもりで来てほしい吉良村長のおはなしj
元のページ ../index.html#4